2023年10月25日

萬古焼土鍋の造り方

最近は朝晩やっと涼しくなり、夜は暖かい食べ物が恋しくなってきました。

皆さんは国産の土鍋が何処で造られているかご存知ですか? 
日本国内で一番生産しているのが三重県四日市市の萬古焼です。
そこで今回は土鍋の造り方について簡単に説明したいと思います。

陶器なのに火にかけても割れない秘密は、ペタライトという陶石。


陶土の約30~40%に混ぜて有ります。
このペタライトを入れる事により素地の熱膨張が抑えられ、火にかけた土鍋が割れにくくなります。
同様に、釉薬にもペタライトが入っています。

陶石を細かく砕きすりつぶすようにして粘土に混ぜ込みます。


最近ではこのペタライトが円安や中国の買い占め等の影響も有り中々手に入りづらくなって、産地では大変苦労しています。

その後ローラーマシン成形。


回転式の金属製コテを用いて、石膏型に土を押し付けて成形します。
胴の部分も蓋も同様に成形しています。

成形された生地は、職人さんが一つ一つ確認しながらバリなどの余分な土を取り除き、
刷毛などを用いて加飾を行います。
その後、釉薬を掛けて自然乾燥させます。



その後一つ一つサヤに入れられ、台車に乗せて窯詰め作業です。
台車に乗せられ本焼成へと流れていきます
約1200℃以上で焼き上げられます




窯から出てきた土鍋は職人さんによる目視や手の感覚、打音で検品され、我々の様な産地商社へと出荷されます。


自動化されている部分と職人さんによる手わざが上手く調和されて造られています。
因みに四日市萬古焼では年中土鍋が生産され、産地商社では夏以降の出荷に向けて年中在庫しております。

今回は四日市萬古焼で最大のメーカーさんの造り方でしたが、
この他にも造り方や加飾の方法が色々有りますので又機会をみてご紹介したいと思います。

テキストのコピーはできません。