今回は萬古焼に使われる陶土について、
日本陶磁器卸商業協同組合連合会が作成した
”やきものハンドブック”を抜粋して話をしてみたいと思います。
最初に言っておかなければならないのは、
陶器に使われる土は一種類ではなくて、製品によって国内や海外の様々な土をブレンドしています。
<陶土の採掘現場>
萬古焼など陶器に適した粘土は主に愛知県や岐阜県や三重県や滋賀県で採掘されています。
また耐熱に良いとされる土はアフリカのジンバブエからはるばる輸入されています。
写真は瀬戸の採掘現場で広大な場所で採掘されていますが、近年は宅地開発が進み、
良質な採掘場所が狭まり陶土の高騰の要因にもなっています。
一部では瀬戸のグランドキャニオンなんて呼ばれています。
<製土の過程>
採掘された粘土は採掘業者により不純物等を取り除き、製土メーカーへ運ばれます。
製土メーカーでは粘土や土の種類ごとに在庫されています。
土はボールミルという機械の中に入れられ細かく泥状にされます。
この巨大な機械がガラガラと回っています。
その後篩機にかけられ不純物を取り除いたり、一定の粒度の原料が精製されます。
ミル内の玉石
泥状の土は更に泥しょうタンクや攪拌タンクと呼ばれる機械の中で攪拌されます。
その後フィルタープレスという蛇腹の機械にかけられ、ギューって余分な水分を取り除き、
陶器メーカーに運び易い製土を作ります。
場合によっては真空土練機でメーカー用の製土を作ります。
メーカーさんでは、納品された製土を自分のメーカーなりの硬さや土の混合等を調整して製品を作ります。
一つの製品の土だけでも色々な工程を経ています。
かぎりある資源を大切にしたいと思います。